Memento ~忘れじの光たち~

    Memento

    通常ver

    ピアノ弦楽二重奏

    Memento 会場用

    通常ver

    ピアノ弦楽二重奏

    Memento ~忘れじの光たち~

    Mementoは、人々の心に宿る一瞬の光が、永遠の記憶となる「忘れてはならない、思い出したい光」をテーマに、視覚を超えた内面的な光の美しさを描いた作品たちです。

    これまでの人生で、私は光という存在の温もりや力強さに救われ、導かれてきました。その経験をもとに、作品を通じて皆さまにも心の中に光を見出し、日常の中で忘れられない瞬間を刻んでいただけたらと願っております。
    そして、その時に私の作品が小さなきっかけとなれば幸いです。

    一瞬の光、永遠の記憶

    「memento」――それは「忘れるな」「覚えていなさい」「思い出せ」という意味を持つ言葉。
    私がこのシリーズを生み出したのは、ある出来事がきっかけでした。

    たったひとつの処方ミスによって、私の人生は大きく揺らぎました。
    それまで当たり前だったものが当たり前ではなくなり、心は沈み、世界の色を見失いました。
    けれど、そんな中でふと気づいたのです。

    窓から差し込む夕陽、雨上がりに光る水滴、揺らめく炎の暖かさ――
    それらはずっとそこにあったのに、見えていなかったもの。
    心が沈みがちな時、変わらずそこにあるものや傍にいてくれる存在は、まるで覆い隠されたように感じられます。
    しかし、それこそが 忘れてはならない、思い出さなければならないもの なのではないでしょうか。

    この花は枯れるからこそ、枯らさないようにと大切に世話をするでしょう。
    目の前の景色をあと何回見られるのだろうか――そう思うからこそ、今見える景色がより美しく、尊く感じられる。
    すべてのものには限りがある。だからこそ、私たちは相手をより尊び、終わりの存在を意識することで、より良く生きることができるのかもしれません。

    もし今日が最期の日なら、まぶたを閉じるその時、私はこう思いたい。

    「やっぱり、それでも、世界は美しかった」

    この作品たちが、あなたの記憶のどこかにある 「忘れじの光」 を呼び覚まし、あなたの心にそっと寄り添うものでありますように。

    一瞬の光が、永遠の記憶になる。

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