Aula

    今回この作品は昨年の自分のバースデーに丁度仕上がった作品です。

    私はお菓子の話や他愛ないことなどは発信しますがあまりプライベートなことや、ネガティブなことは発信しないようにしていました。
    ですがこの作品の誕生を語るには当時を含めそれまでの私の状況があってこの作品が生まれたことが大きいので、今回は珍しくお話してみようと思います。

    去年の私といえば、とても色々なことが重なり、今でこそ言えますが本当に人生で1番辛い時期でした。
    こんなに酷い人間達がこの世に居るのかとおもうことをされました。本当に相手達は自分勝手で、私を何食わぬ顔で裏切りつづけていました。
    最後にした約束、必ずすると言ったことも未だに守ってもらえてません。
    嘘を隠すために自分たちこそが被害者だと嘘も吹聴され精神的に限界に追い詰められ去年の2月に倒れました。

    あとから次々と知らされ発覚する事実に憔悴して精神を病んで通院通い、悔しく悲しくやり切れない想いの暗闇でした。今でもフラッシュバックして動けなくなる時があります。

    私はもう彼らと関わりたくもない想いからその時は全てを放棄しました。本当に何もかもです。
    世間的に見たらありえない、法的に戦いなさいという状況でした。


    気持ち的には放棄したつもりでも、それでもやはり受けた傷はとても深く、簡単に治りません。
    それでも周りの人のサポートのおかげで今こうして次のバースデーを迎えることが出来たことはとても感謝なことです。

    去年何も出来なくなっていた私はぼーっとテレビを見ていたのですが、
    その時に丁度、たしか青色に焦点を当てたトルコの特集がありました。
    その中でトルコの少年が言っていた言葉が印象的でした。

    「僕は青色が好き。青色は空の色。
    だって空は自由だから」

    だったような言葉だったと思います。

    空って自由なんだ…何でだろ…と考えはじめて、自由ってなんなんだろうと考え始めました。

    自由っていうのは状態ではなく、感覚なんですよねきっと。

    誰かから見ても自由という状態に見えても本人が心から感情で自由になっていないとそれは自由ではない。 

    その時に母が私に言いました。
    私と母は大河ドラマが好きなのですが、【花燃ゆ】の言葉で母が印象的に残った言葉をその時送ってくれました。

    「花燃ゆで、娘が桜が散っているというと父親が『桜は散っているのでは無い、解き放たれたのだ。』てあったよ。あなたは解き放たれて自由になったんだよ」


    なんて素敵な言葉なんだろうとネットで調べると下のセリフでした。

    「花は散っちゃおらん。解き放たれておるんじゃ。人も花と同じじゃ。放たれて旅立つ。己を惜しみなく降り注ぐことができる場所への・・・」

    私はずっと、
    裏切られていた、騙されていた、邪魔になったから追いやられた、全て無いことにされた

    と自尊心など壊されていました。

    でもその言葉が心に響いて泣きました。

    そうか、私は解放されて解き放たれたのか、私がもっと己を惜しみなく解放できる場所に行くためなのかと。

    そこからこの絵を一日で描きあげました。
    とても早いスピードと集中力だったと思います。
    そのあとは反動で倒れましたが。

    その時の気持ちはきっと、この絵は『こうなりたい』の姿だったと思います。
    今は、『こうなりつつある』の姿で
    そして段々とこの女性と同じ姿になっていくのだと思います。

    「だって空は自由だから」

    空は人が生きられない世界で、誰も踏み入ることが出来なくて、そこでは翼を持った選ばれた存在しか自由に行き来できません。

    自由っていうのものは、誰にも脅かされることの無い、それでいて憧れが混じり、感覚的にどこまでも広くて、澄んだものなのだと思います。
    だから少年は空が自由だと感じたのかなと思います。

    「だって私は自由だから」

    を心の底から感じてこの絵のようになれるその日が来ることを願って私は、色を乗せ、音を紡ぎ、言葉で思考し、歌で表現して作品をこれからも生み出しつづけるのだと思います。

    この作品は
    私の中では、スタートであり、そして共に変化し、自由へと導いてくれる作品です。


    昨年カレンダーを制作しました。
    Xでも宣伝したところ購入してくださる方がいらっしゃってとても嬉しかったです。

    その後何名かお世話になった知人に渡しました。彼らはアートにはあまり明るくないタイプの方たちです。
    ですが彼らはカレンダーをめくりながら必ずこの絵で立ち止まり「素敵やね」と言いました。

    人気の作品は他にもあるのですが、初めて見た人が何かを感じてくれるほどにこのAulaは力があるのかなと感じました。それはこの作品が生まれた経緯を私自身しか知らなかった事なのですがとても嬉しかったです。


    この作品は今年10月8日から開催された東京展の50周年の展示に飾りました。

    Aula
    自由を求めて歩み出す
    その姿はゆっくりと
    優しくそよ風にも似て

    自由を求めて駆け出す
    その姿はそよ風に吹かれて消える
    微かな香りにも似て

    自由を求めて立ち止まる
    真の姿はそれでもなお進もうとした
    貴方の命の輝き

    AULAという言葉の意味は『輝き』という意味で、Auraという言葉の意味は『そよ風』『微香』『優しい風』だそうです。

    どちらも素敵な意味ですよね。どちらの意味も好きです。

    そのふたつの言葉をイメージしてキャプションも書いたので読んでふむふむって感じて貰えると嬉しいです😊

    私はどんなに辛い経験をや体験をしても、それが私に必要だから与えられたとは思いません。
    ただその事があったから強くなれたと感謝はします。

    そしてわたしはどんなに辛い経験や体験から生まれたものでも、そこから光を見いだした作品を作りたいと思っています。

    この世には辛いことや大変なことがたくさんあるからこそ、目にするものは美しいものであってほしい。

    それこそが、私が経験し、体験したことの意味の現れなのだとも考えているからです。

    必要だから与えられた  
    ではなく
    そこから何を掴むのか

    が私の人生の旅なのです。

    私は光の探求者であり旅人です。

    私がテーマにする光は現象としての光ではなく心象の光なのです。

    Maho

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