Sirius シリウス

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    数式の解説はこちら
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    シリウスという星は、その名前も姿もとても美しく、
    冬の大三角の主役といっても過言ではないほど、まばゆく輝く存在です。

    けれど、その裏に隠れた真実を、どれほどの人が知っているでしょうか。


    シリウスはシリウスは“ふたつの星”からなる双子星です。

    • シリウスA:私たちの目に見える、明るく大きな主星。太陽の約2倍の質量を持ち、今も輝いています。
    • シリウスB:かつてはシリウスAよりも重く、青白く輝く大質量の恒星でした。
      ですが、寿命を迎え、現在は白色矮星という「小さく、暗い星」に変化しました。

    シリウスBは、もう光を放ってはいません。
    それでも、“死んだ”わけではないのです。

    太陽ほどの明るさも、星雲を作る劇的な終わりもなく、
    ただ静かに、その役割を終え、“別の形”でそこに在り続けている。

    かつては、夜空に“ふたつの光”が輝いていたかもしれない
    けれど、寿命の短さゆえに、Bは先に燃え尽き、
    今はAのそばに、“見えないまま”寄り添う存在になりました。

    シリウスBは、目には見えません。
    けれど、確かに今もシリウスAのそばに在ります。

    その姿は、まるで「記憶」や「魂」のよう。

    ——かつて共に輝いていたけれど、今は姿を変えて、
    誰かの心の中だけに静かに生きている、大切な存在。

    たとえば、もう会えないけれど、今も心を支えてくれている人。
    大きな影響をくれた誰か、自分より先を歩いていた誰か。
    私たちはそんな存在を、胸の奥に抱えながら、生きています。

    見えないけれど、確かにいる。
    まさに、それはシリウスBのような存在です。

    私はシリウスという星に、喪失の光という印象を抱いています。

    たしかに、シリウスAは、空でいちばん輝く星です。
    けれど、その輝きの裏には、かつて“ふたり”だった記憶が静かに横たわっている。

    見ることができるのは、今を照らすAだけ。
    でもその内側は、失われた片割れの記憶で満たされているのです。

    どうしてシリウスは、双子星として生まれたのでしょう。

    私は思うのです。
    光だけでは世界を照らせなかった。
    影だけでは命を温められなかった。

    だからふたりで、ひとつになった。
    「光と影は、一緒にあることで初めて“真実”になるから」
    そうシリウスが教えてくれているように感じます。

     シリウスのふたり、それぞれの役割ですが

    • シリウスAは、燃えるような命の光。旅をし、照らし、見る者の心を動かす存在。
    • シリウスBは、静かな伴走者。もう光を放たないけれど、すべてを記録し、そっと隣で寄り添う魂。

    どちらか一方では「永遠」にはならなかったのでしょう。

    このふたつが、ひとつの名前で呼ばれること──
    それが私には、なんとも切なく、愛おしく思えるのです。


    私はこの思いを、数式としても表しました。
    興味のある方は、数式とその説明をご覧ください。
    そこに込めたのは「見える光」と「見えない支え」の共鳴です。

    彼の目は、過去も未来も見ない。
    ただ「今、この一瞬の光」だけを見つめている。

    彼の目は閉じられたまま。
    でもその心は、すべてを知っている。
    先に終えた光の者の祈りとして。


    光の影には、“先に沈み、黙して在る者”がいる。
    もしその星がなければ、シリウスは“シリウス”と呼ばれなかった。

    私が描こうとしたのは、
    消えた星を、見えない想いを、光の中にもう一度存在させるということでした。

    私の「冬の大三角」は、
    いま強く光る命だけではなく、
    先に消えた影の存在も、ちゃんと愛したいと思った形なのです。

    「最も輝くものこそ、誰よりも静かに、誰かを失っている。」

    この言葉が、私はシリウスを見るたびに、心に浮かぶのです。





    Maho

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